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Shoji Times

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2011年 06月 04日

また古典落語の披露

この1か月ハワイに住む長女が日本で仕事があるので我が家に暫く一緒におりました。

今日、ハワイへ帰り明後日には家内とその妹がハワイの娘の家を訪ねることになり交流が出来て幸せな

ことだと思います。私は行ってもすることがないので留守番の役割を引き受けます。さて、前回のブログに

古典落語を載せましたら若い人たちから今まで知らなかった昔の人情や気風に触れたと評判がよかった

ので、ご存じのかたにはご迷惑かもしれませんが今回も有名な「芝浜」を添付します。出来るだけ後味の

良いものを選んだつもりです。よろしくご理解ください。

人情話「芝浜」の大筋
魚屋の勝は酒におぼれ、仕事に身が入らぬ日々が続く。ある朝早く、女房に叩き起こされ、嫌々ながら芝の魚市場に向かう。しかし時間が早過ぎたため市場がまだ開いていない。
誰も居ない芝浜の美しい浜辺で顔を洗って煙管を吹かしていると、そこで偶然に財布を見つける。開けると中には目を剥く程の大金。有頂天の魚屋は自宅に飛び帰り、仲間を呼んで浮かれ気分で大酒を呑む。
翌日、二日酔いで起き出た魚屋に女房、こんなに呑んで酒代をどうするのか、とおかんむり。魚屋は拾った財布の件を躍起になって訴えるが、女房は、そんなものは知らない、と言う。焦った魚屋は家中を引っ繰り返して財布を探すが、何処にも無い。魚屋は愕然として、ついに財布の件を夢と諦める。以来、魚屋は酒を断ち、心を入れ替えて真剣に働き出す。
懸命に働いた末、生活も安定し、身代も増え、やがていっぱしの店を構えることが出来た。
三年後の大晦日の夜、魚屋は妻に対してその献身をねぎらい、頭を下げる。ここで、女房は亭主に例の財布を見せ、告白をはじめる。
あの日、夫から拾った大金を見せられた妻は困惑した。横領すれば当時は死罪にあたる。女房は拾得物として役所に届け、妻は夫の大酔に乗じて「財布なぞ最初から拾ってない」と言い切る事にした。
時が経っても遂に落とし主が現れなかったため、役所から拾い主に財布の大金が下げ渡された。
この真相を知った魚屋はしかし、妻の背信を責めることはなく、道を踏外しそうになった自分を助け、真人間へと立直らせてくれた妻の機転に強く感謝する。妻は懸命に頑張ってきた夫の労をねぎらい、久し振りに酒でも、と勧める。はじめは拒んだ魚屋だったが、やがておずおずと杯を手にする。
「うん、そうだな、じゃあ、呑むとするか」しかし思い立った魚屋、次には杯を置く。
「よそう。また夢になるといけねぇ」 
 やはり金は稼いで手にするものですね。

by shoji1927 | 2011-06-04 13:29


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